【マルチ】一緒にやろうよ!!と誘われた話☆あなたならどうする?【ビジネス】

人生・体験談

まあ、その手のビジネス勧誘体験談は何かしら皆有るんじゃないだろうか?

自分が感じた素直な気持ちを書き留めておこう。

もし、同じような立場でどうしよっか?と迷ってる方の、何らかの参考になれば幸いかなと思う。

マルチな出会いはある日突然

20年くらい前のこと。自分は当時独身で一人暮らしを始めたばかりだった。

必要な家電を揃える為、不動産会社から紹介された最寄りの電器屋(量販店ではない)で買い物をした時に担当してくれた女性店員と仲良くなった。

こうやって書けば、↑この女性店員が勧誘員か?と思うだろうな。はい、正解。まさしく、そうだった。

今思えばこの出会いは仕組まれた出会いだった。何も知らない自分はネギを背負しょっった、いたいけなカモだったとは…。

当時、家電量販店は今ほど多くなく、あったとしてもクルマがないと厳しい郊外だったりする。

クルマのない自分は家電どうしよっかと思案中だったが、アパートを斡旋した不動産会社が同じ商店街の電器屋を紹介してくれた。

不動産会社が「ウチからの紹介って事で家電割引できますよ。今から行かれるなら連絡しときますよ!」と勧めてきたので、勿論ホイホイ行ってみた。

電器屋は不動産会社から徒歩5分位の場所にある。「町の電器屋さん」 といっても中々の規模。

量販店ほどではないが、小綺麗な店構えに最新家電が程よくディスプレイされてある。

手書きの値札もまあまあお手頃価格。もう、ここでいっかと洗濯機とか物色し始めた。

「いらっしゃいませ。〇✕さん(不動産会社))の入居者の方ですか?」

と制服姿の女性店員が声をかけてきた。彼女が今回の主要人物、マナミちゃん(仮)。

茶髪のストレートロングヘアで小柄細身、目のパッチリした可愛い女性だった。当時二十歳位だったと思う。

マナミちゃんは優秀な販売員だった。自分の曖昧な希望を丁寧に聞き取り、テキパキとチョイス。

その結果、格安で冷蔵庫と洗濯機を購入完了。1時間程の買い物だったが、帰る頃にはすっかり打ち解け仲良くなっていた。

「アフターサービスもしますから、またお越し下さいね~♡」とその日はそれで終わる。

こりゃ独身男性ならイチコロだなと、 マナミちゃんのクリクリした瞳を思い出しながら帰宅した。

マルチな関係は楽しく最高

それから数日後の夕方、電池を買おうとマナミちゃんの居る電器屋へ仕事帰りに寄ってみた。

商店街で使える割引券をもらったし、 マナミちゃんとまた女子トークをしてもいいかなと思った。

入店するとマナミちゃんは居たが退勤時間だったようだ。

私服に着替えてて「今から彼とご飯なんです~♡」と楽しそうだった。

峰「へー。いいなあ。ワタシなんかこれから帰って、ひとり寂しく自炊だよう…。」

マ「あ!それなら峰子さん!ウチらと一緒に行こーよ!クルマあるし帰り送ったげるから!」

峰「???」

という妙な流れで マナミちゃん達と食事に行くこととなった。いやいや、知り合ったばかりな上、デートの邪魔虫とか…。

勿論断ったが、いいからいいから!っと途中で合流したマナミちゃんの彼氏くんにも押し切られ、結局一緒に行ってしまった。

近くのファミリーレストランに行って3人で食事。

二人とも本当にいい子だった。彼氏くんはマナミちゃんより一つ年下と聞いた。

3人で仕事のこと、プライベートなこと、その他色々しゃべってたら、なんと2時間も経ってる。

自分、こんな風に誰かと食事しながら時間が経つのを忘れるとか久しぶりだった。

お会計の時も「今日はウチらが誘ったから奢っちゃいますよ!!」なんて言ってくる。

流石にそれは…と自分の分を出してもマナミちゃん達は受け取らない。

峰「じゃあ、次回は私に任せといて!」と、また3人で遊ぶ約束をしてしまった。

それから、自分 + マナミちゃん + 彼氏くんの不思議な関係が続いた。

自分のアパートで宅飲みしたり、マナミちゃん家で唐揚げパーティーした後ゴロゴロしたり。

彼氏くんも居るのに完全邪魔虫だったけど、何故か3人で居ると楽しくて仕方なかった。

年齢も適度に離れていたので、お互いに楽だったんだろう。自分は末っ子なので、妹弟が出来たような気分だった。

ケータイメールの送受信履歴なんか、ほぼマナミちゃんオンリーになった程。(当時はガラケー全盛期w)

彼「峰子さん、付き合ってる人とか居らんの?」

マ「ばっか!ウチらが毎日付きまとってるから、峰子さんそんな時間ないじゃんw」

峰「振られたばっかだよwそれから色々あって、実家出て一人暮らしすることにしたんよ~」

2人「そうなんだ…」って何故か同情して泣いてくれた。つられて自分までもらい泣き。

傍から見たら奇妙な3人だったけど、自分は居心地良くて本当に毎日が楽しかった。

マルチな誘い feat. アユミ〇マサキ

またいつものようにマナミちゃんから「遊ぼ♡」メールが来たが、この日はいつもと様子が違ってた。

知り合いの人からお呼ばれされてるんで一緒に行こうよって内容。

お呼ばれ?ホームパーティー?その程度の認識だった。

まあ、マナミちゃんらと一緒ならいっかー、って何も考えず待ち合わせて3人で向かった先は…。

なんか、公民館?どこかの会社の会議室?的な会場に通されて、ウチら3人はパイプ椅子に腰かけて待った。

部屋を見渡すとパイプ椅子が30脚?位スクール方式に並べられ、中央には壇上+マイクがセッティング。

峰「ん?誰かの講演会?文化講座?」

マ「いいからいいから。もうすぐ始まるから待ってて」

BGMに当時大ヒット中だった アユミ〇マサキ がこれでもかと流れている。

脳内カラオケしながらボーっと待つ。会場を見渡すと、何人か着席してて半分位埋まってた。

ぼーっと聴いてた アユミ〇マサキ が唐突に止まり「これより始めます」と司会進行の女性がマイクを握りしめた。

確かにすぐに始まった。講師らしきキャリアウーマンぽい女性が何かスピーチしている。

が、内容が入ってこない。ん?なんだ、これ…。

話を聞くと化粧品会社?のビジネスパートナー?募集説明会だったようだ。

自分、社名は聞いたことなかったが業界内では大手らしい。「ナチュラル・ボーン」(仮)と書き留めておこう。

「時代は新しいビジネスを求めている」

「古い意識を変えるのは今」

「貴女方は選ばれたビジネスパートナー」

…等々楽しそうなフレーズのオンパレードw。

説明会はスピーチを何人か交えて1時間位で終わったような気がする。

お開きとなり会場を出る時も アユミ〇マサキ の歌がお見送りしてくれた。(アユ、お疲れ様w)

帰りはマナミちゃんのクルマでアパートまで送ってもらい、「じゃあね」って降りようとした時

「ね、峰子さん、もう少し話そうよ!」

と、マナミちゃんに促され、近くのコンビニ駐車場にクルマを駐車させ、またとりとめのない話をした。

それから、さっきのセミナー?の話題になる。そしてタイトルでもあるセリフを告られたw。

マ「ね、さっきの話どう思う?私は絶対いいなと思ってるんだ~。頑張り次第でちゃんと評価してもらえる、とか中々ないもんね!私、峰子さんと組んで一緒にこの仕事がしたい。パートナーになって欲しい…。」

峰「…うーん。これって化粧品会社のセールスってことでいいの?なんかイマイチ実態がわからないな~。資〇堂とかカ〇ボウとかとどう違うの?」

マ「峰子さん、全然違うよ~。買ってくれる人を探すんよ!探せば探すほど、ちゃんと成績になって還って来るんよ!普通の仕事じゃ絶対に無理!」

峰「やっぱり、わかんない…。」

っていう会話をえんえんと続けて気が付けば日付が変わってる。眠くて仕方ない…。

マナミちゃんから「一緒にしようよ」と何度も何度も懇願されたが、結局首をタテに振ることは出来なかった。

だって、わかんないもん…。てか、実態の不明さに本能的なナニカを感じたので、これ以上深入りしたくなかった。

マルチな夢のあとさき

その夜以来、マナミちゃんとは会うことはなかった。というか、連絡が途絶えてしまった。

一応自分から「この間はお疲れ様。送ってくれてありがとう。いい返事が出来ずにお役に立てなくてゴメンね。」

とメールを送ったけど返信がない。その後2~3通送信したが宛先不明のエラーで戻ってきた。

当時の会社の先輩にそのことを話したら

「それ完全にマルチ商法ってやつ?てか、峰子ちゃん妙な物買ってないよね?その子ともう連絡取ってないよね?それならいいけど。」てな感じで釘を刺された。

マナミちゃんは自分をどうしたかったのか…。

彼女に会って話をしたかったが、メアドが宛先不明になってるので連絡がつかない。それが答えの全てなんだろう。

もういいや、と楽しかったメールの履歴も全部リセットした。

それから1年後、自分は今のダンナと結婚が決まり、アパートから引っ越す事になった。

不動産会社で解約手続きをした後、ふと思いたってあの電器屋へ立ち寄ってみた。

あれ以来、マナミちゃんの顔が見づらくて電器屋には全然行ってなかったけど、

もうすぐ引っ越すし「結婚するんだよ」って挨拶がしたかった。

最寄りのコンビニで菓子折りを買って、恐る恐る電器屋に入ってみた。

入ってすぐに電器屋の奥さんが目に入った。マナミちゃんの姿は見えない。

峰「あのぉ…マナミさんはいらっしゃいますか?」名字ではなく、つい名前の方で聞いてしまった。

奥「マナミ…??あー。〇✕さん(不動産会社)とこの?」

峰「???」

マナミちゃんはあの不動産会社の次男にあたる男性と結婚したそうだ。

奥「少し前に入籍してね、赤ちゃんも生まれるっていうから、とっくに辞めちゃったんよ。」

峰「そうなんですか…。」

てか、あの彼氏くんが次男坊だったそうだ…。知らんかった。

不動産会社は「ニコニコ開発」みたいな屋号だったし、彼氏くんもよくある名字だったので全く気にも留めてなかった…。

家業はいずれ長男さんが継ぐらしいが、他業種で働く彼氏くんは、たまに家業を手伝っていたようだ。

結婚後は郊外に引っ越したらしい。電器屋奥さんは親切に色々教えてくれるw。

何となく安心した。彼氏くんと幸せに生活してるんだろう。しかし、奥さんは声をひそめて

「ここだけの話だけど…。アナタももしかして、あのからナントカっていうのに誘われてたの?」

と聞かれて、んんんっとなった。マナミちゃん、自分の前にも何人かの女性をあのセミナーに誘ってたらしい。

実家が不動産会社の彼氏くんから単身の女性入居者情報をゲット→友達になろうよ!→ビジネス仲間になろうよ!

…という筋書だったんだろうか。だろうなw。

あの当時は個人情報などズブズブの時代。たまに家業を手伝う彼氏くんのツテを使えば、難なく入手できる情報だろう。

自分はホイホイと店から店へさまよってたんだなw。まさしくネギマ…。

マナミちゃんが居ないなら長居する理由もないので、奥さんに菓子折りを渡し、入用だった電池を買って電器屋を後にした。

マナミちゃんは可愛いらしくてフレンドリーな性格だったから、誰とでも仲良くなれただろう。

それだけに、あの楽しかった思い出がなんとも切なく胸に迫ってきた。茶番だったんだなぁ…。

マルチ・ドリーム=果てしない夢

とまあ、少しばかり懐かしい思い出に浸ってみた。

あれから20年ちょっと、令和の今でも似たような話はわんさか耳にする。

例の会社「ナチュラル・ボーン」(仮) は今現在どうなっているんだろうかとググっててみたら…

今現在も経済活動を頑張っておられる様だが、上記の通り何とも愉快なワードが混在してて笑ってしまったw。

Yahoo知恵袋なんかにも様々な相談が寄せられてて、ついつい見入ってしまった。

令和の今なんかだとSNSをきっかけに仲良くなって…のパターンが多いようだ。

それからセミナーに誘ってみたり、脈アリ!と思えば「凄い人を紹介しますよ~」の流れは昔とそう変わってないみたいだ。

自分はその段階まで行かなかったし、マナミちゃんもそこまで押しは強くなかったので幸いだった。

仮に押し切られてパートナーになったとしても、ビジネスセンスゼロの自分が務まるような甘い世界ではないはずだ。

向いてないので仕方ない。なので自分はお断り一択だった。

それでも才能?ある人なら何処までも上に行ける世界なんだと思う。

そういう凄腕敏腕勧誘員は確かに実在はする。

「頑張って成功してセレブの仲間入り!今日は自分へのご褒美にモルディブ島でバカンス!木陰で昼間っからシャンパン飲んでまーす☆次は貴女!お待ちしてます♡」

…のような夢を叶えた方々のサクセスストーリーなんかを同系統の企業広告でちょこちょこ見かける。

羨ましいけど、木陰で酒盛りならウチのド田舎の庭でも出来るので、まあ、いっかw。

マルチとは…ビジネスとは…みんな違ってみんなヨシ!!

「ナチュラルボーン」(仮)とは全く畑違いの仕事だが、我が家のダンナは自営業を単独で20年余りやっている。

職種は全然違うので比較は出来ないけど、新規顧客の開拓は毎日必至だ。

取引して頂けるお客様が居てくれてこそ。その辺はなんの商売にも言えることかと思う。

家族である自分もダンナの仕事を通じ、ビジネスのやりがい・怖さ・可能性etc.は嫌と言うほど身に染みている。

ちなみに共同経営は考えた事はなかったのか、ダンナに聞いてみた所 「全くないし、これからもない」そうだ。

理由は面倒くさいので絶対無理、自分ひとりのペースで働くのが一番しっくりくるとの事。

最終的には自分次第。

商売はなんでもそうだが、突き詰めれば博打と紙一重の世界。明日のことなど本当に分からない。

のるか反るか?引くか押すか?死ぬまでモルディブセレブで居続けられる人など極々わずかに違いない。

何度も言うがマルチビジネスはオススメしない。当時の会社先輩のように「やめとけ」と釘を刺したい。

自分が知ってる範囲では、最初は上手く行ってもそれからが難しい。継続性の維持が出来ず皆折れていく。

それでも挑戦したいと言うなら、とことんヤレる所までヤレばいい。オススメはしないが否定もしない。

挑戦はいいけれど、時間が経ったら向き不向きの見極めだけは忘れないでいてほしい。

その道を選んだ人、選ばなかった人。みんな違ってみんなそれぞれだ。

マナミちゃんは電器屋販売員では頑張ってたけど、凄腕敏腕のビジネスウーマンじゃなかった。

優柔不断な自分ですらパートナーに勧誘出来なかったのは悔しかっただろう。

それが本人にとって良かったのか悪かったのかはわからない。

今はどこかで平凡なお母さんをやっているんだろうか。それか再び目覚めてビジネス云々やってるんだろうか。

どちらにせよ幸せであって欲しい。


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コメント

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    • みねこま 峰子 より:

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